シンガポールの自然が息づくタイポグラフィ

「A Garden for All」プロジェクトの革新的なドロップキャップデザイン

シンガポールの豊かな自然をテーマにしたタイポグラフィが、教育とデザインの融合を示すプロジェクト「A Garden for All」によって生まれました。デザイナーのダンネ・オヘダ氏が率いるこのプロジェクトは、シンガポールのユネスコ世界遺産であるシンガポール植物園の多様な特徴からインスピレーションを得ています。

南洋理工大学のアート、デザイン、メディア学部の学生たちによって生み出されたこのタイポグラフィは、教育プロジェクト「TYPOlogy」の一環として課された課題から始まりました。各学生は、シンガポール植物園に見られる植物や動物をモチーフに、フォントファミリーとしてのドロップキャップをデザインするというユニークな挑戦に取り組んだのです。

プロジェクトの成果物は、エピグラム・ブックス社から出版された「A Garden for All」という書籍に収められています。この本には、学生たちがデザインしたオリジナルのドロップキャップが使用されており、シンガポール植物園の自然のエッセンスを現代的なイラストレーションとタイポグラフィの形で捉えています。

デザインの実現には、産業指向の課題として、実際のデザイン委託シナリオを模倣する形で、出版されたタイポグラフィ作品を生み出すというアプローチが採用されました。ダンネ・オヘダ准教授のクリエイティブディレクションのもと、学生たちはシンガポール植物園でのフィールドリサーチを行い、その後、書籍「A Garden for All」のためにオリジナルのドロップキャップを創出しました。

このプロジェクトは、シンガポール植物園の豊かな生態系を表現するための独自のデザイン方向性を見出し、一貫性のあるタイポグラフィシステムを設計・開発するという創造的かつ技術的な課題を克服しました。そして、その成果は2024年にA'デザインアワードの教育、教材、トレーニングコンテンツデザイン部門でシルバーを受賞するという栄誉に輝いています。

「A Garden for All」は、シンガポール植物園の魅力を世界に伝える新しい手法として、教育とデザインの可能性を広げるプロジェクトとして注目されています。デザイナーと学生たちの共同作業によって生み出された、この革新的なタイポグラフィは、シンガポールの文化と自然の美しさを世界に伝えるための新たなステップとなるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Danne Ojeda
画像クレジット: All design/authors of the Drop Caps and Epigram Books, Singapore
プロジェクトチームのメンバー: Creative direction of Danne Ojeda.
プロジェクト名: A Garden for All
プロジェクトのクライアント: School of Art, Design and Media, Nanyang Technological University, Singapore.


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